とらえ方のクセを見直す練習(まとめ)

まとめ

考え方を変えて気分を楽にする方法(認知再構成法)で大事にしていただきたいポイントを以下にまとめます。

今より少しでも気持ちが楽になる考え方を目指す

劇的に気分を良くしよう思うと、あまり効果が得られないかもしれません。例えば、100の不安を0にすることは期待しないようにしましょう。

『不安が100から80になった』ときには、『20しか下がらなかった』ではなく、『とりあえず20は楽になれた』という考え方をするようにしましょう。場合によっては『20しか下がらなかった』という考え方が、その人のとらえ方のクセなのかもしれません。

『少ししか変わらなかった』ではなく『少しは変わった』という部分に目を向けるとともに、繰り返しワークシートを使って自分の考え方を整理し、バランスのよい現実的な考え方を見つける練習に取り組むことで、しだいに上手にストレスに対処できるようになるでしょう。

ポジティブ思考が良いわけではない

ポジティブ思考が良く、ネガティブ思考が悪い、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

例えば、『明日の会議でプレゼンを控えた状況』で、『失敗するんじゃないか』と考えるよりも『何とかなるだろう』と考える方が良いように感じるかもしれませんが、実はそうとも言い切れない、ということです。

『失敗するんじゃないか』と考えたとしても、それによってしっかりと準備をしてプレゼンに臨んだ結果、周りからとても高い評価を得られた、といったこともありえますし、逆に『何とかなるだろう』と考えて準備もせずにプレゼンに臨んだ結果、評価を落とす、ということも考えられます。

『こういう考え方が良くてこういう考え方が悪い』とか、『この考え方はいけない』、『こう考えるべき』ということではありません。大切なことは、【時と場面に応じて柔軟な考え方ができること】です。『ある考え方(思考)によって嫌な気分になるのであれば、その考え方(思考)について整理して再検討することで、気分を少しでも楽にすることができる』という視点のもとに、自分で自分の考え方をマネジメントできる力を身に付けることが大事です。

「考え方を変えて気分を楽に」(認知再構成法)の学習はこれで終わりです。目次にもどって、他にもあなたに合ったストレス対処法がないかご覧になってください。

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