基礎知識 (5) こんなタイプのうつにも注意

1)更年期の女性

身体面では、加齢や更年期障害による身体症状が出現し、社会面では子どもの自立、老親の介護、仕事の転機などさまざまな変化が起こる時期です。これらが重なることで、うつ病を発症する可能性があります。特に更年期の女性の場合、典型的な抑うつ症状だけでなく、めまい、耳鳴り、肩こり、便秘など様々な症状を呈する場合があります。

2)子育て中の女性

子育てのストレスは非常に大きいものです。子育てについて家族など周りからのサポートがない場合には、育児ストレスを解消できずうつ傾向になる可能性もあります。特に働きながら子育てをしているワーキングマザーの場合には、子育ても仕事も完ぺきにこなそうとして、それができないために抑うつ状態になる場合もあります。

3)産後うつ病

出産直後はうつ病にかかる女性が多く、日本では出産した女性のうち、軽度なものを含めると、約10人に1人に産後うつ病がみられたとの報告があります。

4)介護者

要介護者及び療養者を自宅で24時間介護することは身体的にも精神的にも非常に負担が大きく、うつ病のハイリスクの1つです。特に、痴呆高齢者の介護者の介護負担感は大きいといわれています。

5)非定型うつ

うつ病で以下の特徴が優勢であるとき、非定型うつ病の可能性があります。

  • 楽しい出来事に反応して気分が明るくなる
  • 体重増加または食欲の増加
  • 過眠
  • 手や足の重い鉛のような感覚
  • 長期間にわたり、対人関係の拒絶に敏感である

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