まとめ

問題解決のPDCAサイクル

構造化問題解決法のポイントは、整理され具体化された問題に対してPDCAサイクルで取り組む点にあります。PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)のそれぞれの頭文字を並べたもので、継続的に業務改善に取り組むときなどに用いられる手法です。

この方法については、仕事で馴染みのある人も多く、実際にそれで業務がうまくいった経験のある人もいらっしゃると思いますが、これを自分の個人的な問題や困りごとに意識的に応用している人はあまり多くないでしょう。

個人的な問題にはつい感情的な対応をしてしまいがちですが、構造化して解決に取り組めば、厄介な問題でも解決の糸口が見つかることも少なくありません。困った時こそ、やみくもではなく、構造的な問題解決に意識的に取り組むようにしましょう。

問題解決のPDCAサイクル

  1. Plan(計画):整理された問題と目的に対して行動計画を立てる
  2. Do(実行):計画に沿って解決策を実行する
  3. Check(評価):解決策の実行結果を振り返り、効果を確認する
  4. Act(改善):うまくいかなかった解決策について検討し、改善する

認知的アプローチと行動的アプローチを組み合わせる

構造化問題解決法を基本に自分自身の課題にとりくむとき、『有効な解決法がわかっているのになかなか実行できない』ということがあります。そういうときは、『やってみてうまくいかなかったらどうしよう』や『この問題は相手が悪いのに、なんで自分が努力しなきゃならないんだ』など、『解決策の実行』という行動に影響を与えている考え方のクセが無いか、その問題や解決法についての自分の考え方を整理してみましょう。

セルフモニタリングとは? ー 認知行動療法の基礎 ーの中でお話したように、【考え方】は【行動】に影響を与えるため、どんなに良い行動計画を立てても、考え方のクセがその実行の邪魔をしてしまう場合があります。そんなときは、【認知的アプローチと行動的アプローチを組み合わる】ということを意識して、構造化問題解決法と合わせて認知再構成法で自分の考え方を整理してみるのが効果的です。

自分自身のメンテナンスも忘れずに

問題の解決に入れ込みすぎて、オーバーワークになってしまうこともあります。これを避けるために、多くのエネルギーを使うような問題に挑むときは、解決策の実行と並行して、意識的に気晴らしや休養などの方法で自分自身の心身のメンテナンスに取り組むように心がけましょう。問題から逃げてばかりでは解決が難しいのは確かですが、心身の疲労やダメージがたまってきたときに一時的に問題から離れたり逃げたりすることは、自分を回復させるための有効な手段のひとつになりえます。

行動計画を立てるときに、心身にダメージがたまってきたときの対処法や、むしろダメージをためないために定期的に実施する策を組み込んでおくと効果的です。

構造化問題解決法を学び終わったら、ほかの自分でできるメンタルケアについても学んでいきましょう。構造化問題解決法がうまくいかない、自分に合わない、と思ったとしても他の方法もあるのでいろいろなやり方にとりくんでみましょう。